ShopifyでのECサイト構築方法を注意点も踏まえて徹底解説!
2024.07.01
想定読了時間 7 分Shopifyは、これからはじめてECサイトを立ち上げる初心者から、Amazon等のモール型ECから自社ストアでの販売を始める事業者まで幅広く利用されているカートシステムです。
Shopifyは誰でも簡単にECサイトを構築できる利便性がありますが、それゆえに「とりあえず作っただけ」で満足してしまうことがあります。
「とりあえず作っただけ」から脱却するためには、なぜShopifyを選ぶのかや、構築時の注意点、集客戦略など、単なる構築方法だけでなく周辺事項にも注意を払う必要があります。
本記事では、これらの視点を念頭に置き、ShopifyでのECサイト構築方法について詳しく解説していきます。
また弊社では、Shopify制作代行・運用代行サービスを行っております。
制作だけではなくその後の運用サポートまで一貫してサポートしておりますので、Shopfiyに関して気になることがありましたらお気軽にご相談ください。
目次
ShopifyでECサイトを構築するメリット
ShopifyでECサイトを構築するメリットは、他の販売・構築方法と比較することで浮き彫りになります。
Amazon・楽天・Yahoo等のモール型ECとの比較
Amazon等のモール型ECでは「他より優れている商品」が売れる傾向がありますが、Shopifyのような自社サイトでは「他にない商品」が売れる独自性が際立っています。
Amazon・楽天・Yahoo等のモール型ECと比較した際にShopifyが優位な点は以下の5つがあります。
1.カスタマイズ性の高さ
Shopifyは、モール型ECとは異なり、独自のオンラインストアを構築することができます。そのため、ブランドイメージや商品ラインナップに合わせて、デザインや機能を自由にカスタマイズすることができます。
例えば、アパレルブランドであれば、商品の色やサイズを豊富に用意したり、スタイリング画像を充実させたりすることで、他店との差別化を図ることができます。
2.コストの安さ
Shopifyの決済手数料は、3.4%〜(プランや決済手段によって変動)と、Amazonの約半分以下、商材によっては1/3以下になることもあります。
そのため、コストを抑えて、EC事業をスタートさせたい場合や売上規模が小さい場合にも、Shopifyは有利です。
3.拡張性の高さ
Shopifyは、アプリやテーマなどの拡張機能が豊富に用意されています。そのため、自社に合った機能を追加したり、新たなサービスを提供したりすることができます。
例えば、SNS連携やポイント制度、チャットサポートなど、顧客の利便性を高める機能を追加することで、売上アップや顧客満足度の向上につなげることができます。
4.CRM領域の充実度
Amazonなどのモール型ECでは、顧客の基本情報は取得できますが、詳細な情報は取得できません。一方Shopifyでは、顧客の属性情報や購買履歴などのデータ顧客情報の取得・管理、顧客とのコミュニケーションが可能です。
そのため、Shopifyを利用するEC事業者は、顧客のニーズを深く理解し、効果的なマーケティング施策を実施することで、売上アップや顧客満足度の向上につなげることができます。
具体的な例としては、以下のようなものがあります。
- 顧客の属性情報や購買履歴を分析して、顧客のニーズを把握し、それに合わせた商品やサービスを提案する
- 顧客の行動データに基づいて、パーソナライズされたメッセージを送信し、顧客の購買意欲を高める
- 顧客の購買履歴やポイント履歴を活用して、顧客のロイヤリティを高める
Shopifyは、こうしたCRM施策を実施するための機能やツールが豊富に用意されているため、EC事業者にとっては、大きなメリットでしょう。
5.グローバル展開のしやすさ
Shopifyは、175以上の国と地域で利用されています。そのため、海外展開を検討している場合にも、Shopifyは有利です。
Shopifyには、多言語対応や、海外決済に対応したアプリなどの機能が用意されており、海外展開をスムーズに行うことができます。
このように、Shopifyは、カスタマイズ性の高さ、手数料の安さ、拡張性の高さ、CRM領域の充実度、グローバル展開のしやすさなどの点で、Amazonなどのモール型ECと比較して優位な点があります。
ただし、Shopifyは、モール型ECと比較して、集客力や競争率が低いというデメリットもあります。そのため、Shopifyを利用する際は、自社の強みやターゲット層を明確にして、戦略的なマーケティングを行うことが重要です。
近年、Shopifyの企業価値は飛躍的に伸び、日経新聞などでは「アマゾンキラー」と呼ばれることもありますが、これは単なる敵対関係ではなく、ShopifyはむしろAmazonと共存し、お互いに相乗効果を生む関係でもあるかと思います。
例えば、最初にAmazonでの販売に注力し、レビューを積み重ねた後、その信頼をShopify上に持ち込むといった施策も取れます。
これにより、Amazonでの売上も増やしながら、自社ECサイトの受注率アップにもつなげることができます。
BASE・STORESとの比較
Shopifyは、BASEやSTORESと同じく、ネット上のシステムを利用して構築されるカートASPです。初心者から既存のモール型ECから独自で販売を始める事業者まで、様々なニーズに対応しています。
BASEとSTORESと比較したShopifyの強みとしては、以下の機能的なメリットが多数あります。
- 売上規模によるシステムの乗り換えが不要
- セキュリティが世界最高水準
- SEOが強い
- カスタマイズ性が高い
- 越境ECに強い
- カゴ落ち対策ができる
- 各広告プラットフォームとの連動性
- 機械学習の速度が速い 等
一方で、BASEとSTORESは無料でEC運営が可能で、手軽にECサイトを立ち上げて様子を見たい方に適しています。
ただし、月額費用がかからない代わりに、Shopifyよりもやや手数料が高めであり、取引が増えるとその差が縮まります。
BASEとSTORESはECで売上を伸ばしていきたい方には向いておらず、年に数回あるかないかのニーズに応えるためにEC機能をつけたい方に向いていると言えます。
事業規模や目標に応じて最適なECカートシステムを選ぶことが大切です。
フルスクラッチ開発との比較
フルスクラッチ開発は、既存のシステムを使用せず、ECサイトをゼロから構築する手法です。カスタマイズ性に優れ、他のコンテンツとの細部までの連携が可能な特長がありますが、その反面、最も高額な費用と長期の開発期間が必要です。
対照的に、Shopifyはサーバーの事前準備が不要で導入が簡単であり、迅速かつコストを抑えて実装が可能です。また、セキュリティ対策も万全です。
フルスクラッチ開発とShopifyでの構築の選択は、企業としてエンジニア組織・文化をどれだけ構築したいかに依存します。
ECサイトの外見が同じであっても、内部が異なると、問題が発生した際にプラットフォームを責めるのか、自社で書いたコードを自社で修正するのかといった点でエンジニア組織の運営方針が大きく変わります。
どちらを選ぶかは、企業の目標やリソースの使い方に合わせて戦略的に決定するべきです。
ShopifyでECサイト構築時の注意点
ShopifyでECサイトを構築する際、事前によくある失敗や注意点を理解しておくことで、スムーズに構築することができます。
最初から完璧を目指さない
最初に意識しておくべきなのは、「最初から完璧を目指さない」ことです。
理想的なサイトを一発で構築するのは難しく、顧客の反応や市場の変化に柔軟に対応しながら、日々の運用で改善を重ね、サイトをブラッシュアップさせていくことが重要です。
ECサイトの運営にはサイト構築以外にも多岐にわたるタスクがあり、100点を目指しすぎると他の領域がおろそかになりかねません。そのため、目安として80点を意識し、着実に改善を進めることが成功の秘訣です。
サイトをブラッシュアップしていくには、サイト構築と運用を分断せずに協力して進める体制が整っていることと、日常的に運用の改善点を見つける習慣を育むことが大切です。
一部のカスタマイズにはコーディング知識が必要
Shopifyの一部のカスタマイズにはコーディング知識が必要です。
例えば、レイアウト、フォント装飾、画像サイズ、アイテム表示数などはITに不慣れな担当者でも対応可能ですが、より高度な要素である自由度の高いレイアウト、特別な導線設定、色分けなどの細かい文字設定に関しては、HTML/CSSやUI/UXを意識したサイトデザインやバナーを作成できるデザイナーのリソースが必要です。
さらに、詳細なUI/UX改善や独自の機能を実装したい場合、デザイナーだけでなく、それを実装できるエンジニアも必要です。
Shopifyを自社だけで構築するか、一部を外注するかは、上記の機能をどこまで実現したいかによって変わります。どちらの方法を選択するかは、企業のニーズや目標によりますが、慎重に選択し、柔軟かつ効果的な構築を目指しましょう。
日本語化が追いついていないアプリやテーマがある
Shopifyでは日本語化が追いついていないアプリやテーマが存在します。Shopifyは元々海外で開発されたサービスであり、そのためドキュメントやアプリが主に英語で提供されています。
しかし、最近では公式サイトが日本語に対応し、日本国内でもShopifyの普及が進んでおり、日本語で情報提供されるサイトや、日本製のアプリ、日本語対応アプリが非常に増加しています。それでも英語の場合、ブラウザの翻訳機能を使用すれば対応可能です。
とはいえ、英語の情報が豊富なため、具体的な情報を得たい際には英語で検索することがおすすめです。例えば、Shopifyアプリストアで英語で検索すると、外国の利用者が書いたレビューがあり、より具体的な情報が得られることがあります。
ShopifyでECサイトを構築する手順
Shopifyでは、以下のような流れでECサイトを構築することができます。
アカウントを作成し、管理画面に入る
Shopifyの公式サイト(https://www.shopify.com/jp)にアクセスし、無料体験のアカウントを作成しましょう。
メールアドレスを入力して「無料体験をはじめる」をクリックします。
いくつかの質問に回答していきます。
スキップも可能なので、サクサクと回答していきましょう。
管理画面に移動します。ここで、既にストアの骨組みは完成しています。残りは、テキストや画像を差し替えて、オリジナルのストアを構築していく仕組みとなっています。
商品を追加する
ここからは、Shopifyの設定ガイドに従って進めていくだけでOKです。最初のステップとして、商品の追加を行います。
お客様は商品ページを主に見て購買を決断しています。情報量が少ないと購買意欲が減退する原因につながるので、商品ページには少なくとも1000文字以上の詳細な情報を記載するよう心がけましょう。取引条件、送料、納品までの期間などについてもできるだけ詳しく説明することで、お客様にとって安心感を提供できます。
商品情報の入力が完了したら、商品のステータスを「公開中」に変更し、ヘッダーにある「保存する」をクリックしましょう。これで、最初の商品が正常に追加されます。
オンラインストアをカスタマイズ
現在、デフォルトのテーマが表示されています。同ページで下にスクロールし、「無料テーマ」から好みのテーマを追加してみましょう。
カスタマイズしたいセクションを選び、テキストや画像を差し替えます。また、セクションはマウスでドラッグして簡単に並び替えることができます。
現時点ではページや商品数が少ないため、カスタマイズを後回しにしても問題ありません。
商品を追加し、テーマをカスタマイズするだけで、もうすでにストアの外観は完成です。
ストア名を決める
ストア名を決めます。続いて、電話番号、住所など、ストアの詳細情報を入力していきましょう。
決済方法を設定する
Shopifyでは、Shopify ペイメントをはじめとするさまざまな決済方法に対応しています。
デフォルトでサポートが入っているのは、3つの決済方法です。
- Shopifyペイメント
- PayPal
- Amazon pay
これらの決済方法だけでも十分ですが、通常はこれに加えてさらに決済手段をアプリで追加することが求められます。
できるだけ多くの決済種類を用意する方が良いです。クレジットカード以外の決済も検討し、銀行振り込みやコンビニ支払いなど現金で支払う手段も用意しておくことが重要です。これにより、クレジットカードを持っていない顧客にも対応し、受注率を向上させることができます。
配送設定する
Shopifyでは配送方法をショップの目的に合わせて細かく設定できます。
特に、配送料金の分かりやすさは受注率に直結するため、この設定は慎重に行いましょう。
テスト注文を行う
テスト注文を行うことで、注文処理、在庫管理、配送、メール通知などの設定がすべて正確であるかを確認できます。
Shopifyの設定ガイドは以上で終了です。
サイトに必要なページを作成する
まだ作成していないページを作成していきます。特に商品ページは細かく作り込んでいきましょう。
また、TOPページもしっかりと作成します。お問い合わせページや特定商取引法(特商法)ページなども見逃さずに設けましょう。
LPの制作において、特におすすめなのが「GemPages」というアプリです。「GemPages」を使用することで、コーディングの知識が不要で、ドラッグ&ドロップだけでShopifyの固定ページ、商品ページ、ブログページ、そしてコレクションページのデザインを簡単に作成できます。
また、Shopifyのデフォルト機能でLPを構築することもおすすめです。デフォルトでも綺麗なデザインで、レスポンシブ対応やSEO対策も対応しています。
Shopifyアプリで機能追加する
Shopifyは外部アプリと連携することで、さまざまな機能をサイトに追加できます。有料のアプリから無料のアプリまで多種多様なアプリがあります。
また、以下の記事でおすすめのアプリを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
GA4等の分析ツールを導入する
Shopifyには「ストア分析」という便利なデフォルト機能が備わっており、多くの事業者にとってはこれだけで十分な場合もあります。
しかし、ストア分析とGoogle Analytics 4(GA4)で得られるデータには違いがあり、GA4はユーザー行動のトラッキングをより詳細に分析することが可能で、本格的に事業を展開している場合にはGA4の導入がおすすめです。
GA4の設定は初めは難しく感じられるかもしれませんが、最低限の設定をしておくことで、データを蓄積でき、後々の分析をスムーズに行えるようになります。
初期段階ではShopifyのストア分析を主に利用し、サイトの規模が拡大し、より詳細なデータ分析が必要になった時にGA4を活用するのがおすすめです。
GA4を導入することで、ユーザー行動がECサイトに与える影響を深く理解し、その知見を具体的な施策に活かすことが可能となります。
また、分析結果を広告戦略やECサイトの改善に直接活用することもできます。GA4は他のツールとの連携も容易であり、分析によって抽出したターゲットに対して直接広告を配信するなど、活用の幅が広がります。
一方で自社で対応できる技術者がいない、工数をかけて設定をするのが避けたいという方におすすめなのが、ツールの活用です。
データポータルのような形で、アクセス解析データの中から重要な指標だけをシンプルにまとめ、初心者でも見やすいアクセス解析レポートを作成することが可能です。
広告やSNSによる集客強化に取り組む
Shopifyは、Amazonや楽天市場のような既存の集客力を持たないため、独自の集客戦略が不可欠です。この戦略を考える際には、たとえば、商品の認知度に応じて考えます。
既に市場で認知されている商品の場合は、商品ジャンルに特化した検索広告やリターゲティング広告が効果的です。これらの広告は、既に商品を知っているか、関連する興味を持つ顕在顧客にリーチするのに最適です。
一方、認知度が低い商品の場合は、Facebook広告などの潜在層向け広告が有効です。これらのプラットフォームは、特定の興味や行動パターンに基づいてターゲットを絞り込むことができ、新しい顧客層の獲得に役立ちます。
また、TwitterやInstagramなどのSNSを活用した発信も、集客強化には欠かせません。特にモール型ECと比較して、Shopifyでは顧客との直接的なやりとりや商品のブランドイメージの伝達が重要です。
集客方法に正解はないため、自社の状況に合った最適な戦略を考え、実行に移すことが大切です。
Shopify構築は自社で作る?構築代行を依頼する?
Shopifyを利用したECサイト構築は、多様なテーマとアプリのおかげで、初心者でも比較的容易に行えます。しかし、特定の機能性を自社のニーズに合わせてカスタマイズしたり、運用を最適化するには、より高度なシステム構築や運用ノウハウが求められます。
ECサイトの目的や社内に適切なスキル・ノウハウを持つ人材がいるかどうかによって、制作を社内で行うか、専門の制作会社に依頼するかを検討することになります。
自社で作る場合
自社でShopify構築を行う場合、主な利点はコストの削減です。外部委託に比べて、直接的な費用を抑えることが可能ですが、これには一定の構築スキルが必要となります。また、内部リソースを使用するため、追加の人件費が発生する可能性があります。
専門知識が不足していると、サイトの外観にこだわって、肝心の運用面を何も設定できていないなど、事業上やるべきこととそうでないことの優先順位をつける戦略性を正確に立てられるかも難しいです。
しかし、自社で構築することで、自分のペースで試行錯誤しながらECサイトを構築していくことができます。
制作会社やフリーランスなど外部に依頼する場合
制作会社やフリーランスに依頼する場合、デザイン性の高いECサイトを作成できることや、運用や集客に関する専門的なサポートを受けることが利点となります。
また、サイト構築を依頼している分、自社は商品開発や集客対策など、他の業務にリソースを当てることができます。
制作会社選びのポイントとしては、単純に制作だけではなくECのことを理解しているか、価格とニーズのバランス、構築後の運用サポートの質を確認することが重要です。
弊社では、売れるサイト構築をコンセプトにshopify制作代行サービスを行っておりますので、Shopifyでの構築をお考えの方は是非一度お気軽にご連絡ください。
総括|ShopifyでのECサイト構築方法について
Shopifyを活用したECサイト構築は、その使いやすさとカスタマイズ性の高さから、多くの事業者に選ばれています。
ただし、サイトを立ち上げるだけでは不十分です。ブランドの独自性を際立たせ、市場のニーズに応じたカスタマイズやマーケティング戦略が必要不可欠となります。
Shopifyを利用した自社ECサイト構築をご検討の際は、ぜひこの記事を参考にして、ECサイトをどのように成長させていくかの戦略を練ってみてください。
関連:https://j-net21.smrj.go.jp/special/ittool/18031501.html
関連:https://www.jetro.go.jp/news/releases/2021/add7cc55e424cfb8.html