Amazon広告の出し方や種類、運用方法のコツを現役セラーが分かりやすく解説!
2024.07.01
想定読了時間 6 分アマゾンに出品をしてみたけど、広告の出し方が分からない、種類が多くてどれから初めてよいか分からないなどのご相談をよくいただきます。
アマゾンの広告が売れやすいと言われているのは、商品ページを見ている購入意欲が高い人に配信する広告であることや、アマゾンの顧客データを活用した広告の精度が高いことが理由だと言われています。
今回は「アマゾンに出品しているが広告は触ったことがない」というセラーやショップの皆さんにアマゾンで10年以上販売を続けている筆者が広告についての種類やコツについて解説いたします。
また弊社ではECのプロによるAmazon運営サポートやAmazon広告運用代行・運営代行サービスも行っておりますので、是非一度お気軽にご相談ください。
目次
Amazon広告の種類とは?初心者が始めるべき広告は?
Amazonにはたくさんの広告の種類があり、どれから初めていいか分からないという方も多いかと思います。
また商品が自社商品(Amazonでブランド申請の手続きが完了している)、または他社メーカー商品かによって使える広告メニューが変わってきます。
Amazon広告の種類
Amazon広告はたくさんの種類がありますが主に使われているのは以下の4種類の広告です。
- Amazonスポンサープロダクト広告
- Amazonスポンサーブランド広告
- Amazonスポンサーディスプレイ広告
- その他(AmazonDSP)
それぞれ解説します。
Amazonスポンサープロダクト広告
Amazonの検索結果や商品ページ内に配信される検索広告です。設定したキーワードにあわせて出稿されるため、費用の調整などもしやすくAmazonの広告の中でも最もスタンダードで良く使われている広告です。
他社メーカー商品、自社ブランド商品(Amazonブランド申請済み)どちらにも使える広告です。
Amazonスポンサーブランド広告
検索結果の上部に表示される、ブランドのロゴ+商品やバナーなどを組み合わせた広告です。
目立つ位置に表示されるためブランドとしてのアピールがしっかりと出来る広告になります。こちらはAmazonでブランド申請できた商品のみ出稿できます。
Amazonスポンサーディスプレイ広告
検索結果画面や他社の商品ページなどに表示させることができるバナーのディスプレイ広告です。バナーや動画を設定できる広告はAmazonでは少ないため、目立ちます。
こちらもAmazonブランド申請ができた商品のみ出稿できます。
その他(AmazonDSP)
Amazon以外のサイト(外部サイト)にバナーを表示できる広告です。Googleのディスプレイ広告などに近いイメージです。
Amazonを見ていない人に向けて広く配信できる広告ですが、こちらはDSP広告を取り扱いできる広告代理店を通して配信する広告になるため売り上げ規模の大きなショップ向けの広告です。
このように、アマゾンには様々な広告メニューがありますが今回はまず最初に使うべき「スポンサープロダクト広告」について詳しくお伝えします。
Amazonスポンサープロダクト広告とは?
Amazonスポンサープロダクト広告は、アマゾンで販売スタートした出品者がまず最初に使うことが多い一番メジャーな広告です。
表示される場所は検索画面の上部、また商品ページの中段、下段あたりに「スポンサー」と小さくかかれている箇所がスポンサープロダクト広告の表示場所になります。
画像に赤く丸をいれた箇所にスポンサーとかかれているのが見られるかと思います。購入者がほとんど広告だと意識しないような自然な形で表示されるのが特徴です。
また、こちらは出品者が設定したキーワードや商品にあわせて表示されます。表示されただけでは費用はかからず、その広告をみて商品ページをクリックされた時にはじめて広告費が課金されるので費用がかかりすぎずコストパフォーマンスの良い広告です。
Amazon広告を初めて出稿する方にはもちろん、売り上げがあがった後もずっと使い続ける広告メニューです。
スポンサープロダクト広告のターゲティングについて
スポンサープロダクト広告には大きく以下の2種類のターゲティングがあります。
- マニュアルターゲティング
- オートターゲティング
更にマニュアルターゲティングには、以下の2つの設定があります。
- キーワードターゲティング(マニュアルターゲティング)
- 商品ターゲティング
それぞれ解説します。
・キーワードターゲティング(マニュアルターゲティング)
商品に合うキーワードを設定します。キーワードは「完全一致・フレーズ一致・部分一致」の3種類のマッチタイプがあります。
完全一致はキーワードと全く同じ検索用語が出た時だけに表示されるので、初めて広告を使う時は完全一致だけ設定しておくのもおすすめです。
売り上げが伸びてきて広告費を使えるようになってきたら、フレーズ一致も設定するとさらに広く表示されるようになります。
たとえば商品がソファの場合はこのような形でキーワードを設定します。
- ソファ 茶色
- ソファ 二人掛け
- ソファ 本革
商品によってキーワードは違ってきますので、商品タイトルや説明文にあるキーワードから拾って来たり、Amazonの検索窓で表示されるサジェストキーワードを参考にしてみてください。
・商品ターゲティング(マニュアルターゲティング)
Amazonに出品されている他社のページ(自社のページも可)やカテゴリーにターゲティングすることで、その商品ページを見ている人に表示させることができます。
ライバル商品のページや、関連商品、類似カテゴリーに出稿するなど「こういった商品を欲しい人は自社の商品も買う可能性が高い」と予測して広告を配信していきます。
・オートターゲティング
オートターゲティングとは出品者が自分でキーワードや商品を設定せず、文字通り「オート」でアマゾンが配信するターゲティングになります。
クリック単価を決めるだけで簡単に配信できるので「どんなキーワードを設定したらいいか分からない」という時にもおすすめです。
オートターゲティングで売れているキーワードはマニュアルターゲティング(完全一致)に変更し、さらに売り上げを伸ばしていきましょう。
ただし、クリック単価を高めに設定していると意図しないところにも配信されていたりするので(除外をすることで配信をストップすることはできます)、思った以上に費用がかかったということが起きないようにCPCは低めにスタートしましょう。
Amazon広告の出し方や費用の目安は?
Amazon広告の始め方は簡単で、手順は以下の通りです。
- Amazonアカウントを作成し、商品の出品申請、登録を行う
(広告をスタートするには小口出品ではなく大口出品にする必要があります) - Amazonセラーセントラルにログインする
- 広告→広告キャンペーンマネージャーをクリック
- 「キャンペーンを作成する」よりキャンペーンを作成す
- 「スポンサープロダクト広告」を選び、配信する
Amazonスポンサープロダクト広告 売れる運用方法のコツはこれ!
筆者が実際にスポンサープロダクト広告で行っているのは「オートターゲティング」と「マニュアルターゲティング(キーワード)」「マニュアルターゲティング(商品)」の全てを配信しています。
その中でも広告ごとに役割が少しずつ違っていますのでそれをお伝えします。
・オートターゲティング広告
予算、クリック単価(CPC)を低めに設定し安い金額で配信します。
幅広く配信することで今まで設定していなかった新たなキーワードを見つけたり、売れやすいASINを見つけたらそれらを「マニュアルターゲティング」に追加し、オートターゲティングからは除外します。
低い金額で回すことで、かなりニッチなキーワードやASINにも配信されていきます。
また、100商品など大量に商品があって売れ筋が分からないショップさんの場合もまずはオートターゲティングでクリック単価を10円~など低めに設定し売れてきたらマニュアルのキャンペーンを作るなど「自社の商品の中で今後育てていきたい商品を見極める」時にもオートターゲティング広告が便利です。
・マニュアルターゲティング(キーワード)
売れると分かっているキーワード、SEOで上位に表示させたいキーワードなどを中心に「完全一致」「フレーズ一致(場合による)」などを設定します。
フレーズ一致を配信していると思わぬキーワードを拾っていたりするので商品にあてはまらない(たとえば充電機能がないのに「充電」というキーワードが入っているなど)場合はキーワードの除外設定を行いましょう。
・マニュアルターゲティング(商品)
ライバルの商品(ASIN)や関連商品に設定することで、ライバル商品を見た後比較して自社の商品を買ってもらえることがありますので設定します。
ただし、価格差がありすぎる場合(たとえばライバル商品2000円で自社が10000円など)はクリックされても売れないということもありますのでその場合は除外設定にします。
それぞれの特性を理解するだけで、スポンサープロダクト広告だけでも売り上げが立つ状態になりますのでしっかりと設定していきましょう。
Amazon広告が売れない、費用対効果が出ていないと感じたら
Amazon広告は「Amazonに来店して何かを購入しようと探している人」が多いためGoogle広告などに比較しても売れやすく効果の高い広告です。
ただし、Amazonに来店してる人はとても多いため設定を間違えると広告費が高騰し「費用対効果が良くない、広告をかけても商品が売れない」という状態になりやすいです。
広告が売れていないと感じたら以下の点を確認してみましょう。
費用がかかっているキーワードや商品はどれか
自社の商品より明らかに性能が良い商品で比較されて売れていない場合や、相手がプチプラ商品で客層が違う場合もあります。
キーワードの場合は検索されやすいビッグキーワードほど費用がかかりやすいです。たとえば「ダイエット プロテイン」よりも「ダイエット」の方が検索数は多いですがプロテインを探しているとは限らないので買われにくいこともあります。
広告予算が少ないうちはなるべく完全一致で自社の商品にマッチする2語のキーワードなどミドル~スモールキーワードから配信してみましょう。
無駄なキーワードに配信していないか
オートターゲティングや、マニュアルターゲティングの「フレーズ一致」「部分一致」などで配信していると思わぬキーワードに配信されていたり、自社の商品と関連性が低いものに出稿されていることがあります。
広告レポートの中でも「検索用語」という項目がキャンペーンごとにありますので、どのような用語に配信されているかなどを確認して、無駄なものは停止をしていきましょう。
効果がないと感じたらフレーズ一致や部分一致を停止して、完全一致だけで運用をしてみてください。
自社の商品ページに改善できる点はないか
一番多いのは「FBAに対応していない、配送が遅い」点です。比較対象になった時に買われにくくなるため広告費だけがかかっていることが多いです。
アクセスが多い商品は興味は持たれている状態なのでFBAにいれても利益が出るのであればFBA配送を検討してみたり配送スピードを速くできないかを検討しましょう。
また、送料別ではなく送料込みの価格にするだけで売り上げが変わることもあります。
他にも商品写真や説明文が少なすぎて買いづらいといった場合もありますので商品ページ自体に改善できる点がないか、他社のページを見ながら1つずつ確認します。
広告が表示されない、費用が発生していない場合
広告が全く表示されていない場合は主に「クリック単価」が低いことが原因です。同じキーワードに複数のセラーが入稿しているのでクリック単価が高い商品の方が表示されやすくなります。
また、他社メーカーの商品などを出品している場合は「自分のショップがカートを取得していないと表示されていない」ということがあります。
そのため、配送方法や送料、価格などを見直してカートを取れる状態にすることがまず最初に必要です。
総括|Amazon広告の出し方・運用方法のコツについて
Amazon広告は活用できるようになれば売り上げが大幅にアップする可能性が高く、購買意欲が非常に高い広告です。
商品ページを魅力的に改善していくことやレビューを増やして購入されやすいページを作ることでAmazon広告の費用対効果(ROAS)なども大幅に改善していきます。
実際に私が取り組んだ活動で広告効果(ROAS)含めて、売上も大幅に拡大した事例などもありますので、よろしければ一度覗いてみてください。
事例
低予算からスタートでき、簡単に設定できるAmazon広告を使いこなして売り上げアップを目指しましょう。