楽天RPP広告の効果的な使い方を徹底解説!キーワード設定からチューニングまで攻略のコツを伝授
2024.07.01
想定読了時間 7 分楽天市場に出店された後、まず悩むのが検索順位を上げることでしょう。すでに5万店舗以上のショップが乱立する中、限られている上位枠を獲得するのは容易なことではありません。
特に出店当初のショップは過去の販売実績やレビューがないため、楽天の検索ロジック上はどうしても他ショップと比べると不利です。
そこで活用するのが広告です。本記事では特に楽天市場で広告効果が高く、費用負担も小さく始められるRPP広告について、事業者側とコンサル側両方の経験があるEC歴13年の筆者がわかりやすく解説します。
また弊社ではECのプロによる楽天運営サポートや楽天広告運用代行・運営代行サービスも行っておりますので、是非一度お気軽にご相談ください。
目次
楽天RPP広告とは?RPPは何の略?
楽天RPP広告とは、楽天プロモーションプラットフォーム(Rakuten Promotion Platform)の略で、楽天市場内で検索キーワードと連動して表示される検索連動型の広告です。
つまり、ユーザーが楽天内で商品を検索する際により上位に表示するための広告であり、ユーザーがその商品をクリックするごとに費用が発生するクリック課金型の広告です。
楽天RPP広告が表示される場所は、楽天市場内の検索結果上部となっており、自然検索結果として表示される商品と並びます。
楽天大学でも一部解説がありますので、覗いてみてください。
RPP広告で設定した商品は以下実際の画面のように「PR」の文字が表示されますが、自然検索として表示される商品と見え方はほとんど変わらないので、ユーザーにクリックされやすいことも特徴です。
楽天RPP広告の費用
楽天RPP広告は、月額費用5,000円から出稿することができます。キャンペーンの設定で、「継続月予算」(当月以降の月予算)を設定することができますので、毎月の予算内での運用が可能です。
※一度に複数キャンペーンを配信することはできず、1キャンペーンのみ配信可能です。
また、楽天RPP広告はクリック課金型の広告となっており、一般的なリスティング広告と同じで、1クリックに応じて、設定したCPC(クリック単価)がそのまま課金されます。
楽天RPP広告の最低単価はいくら?
楽天RPP広告の最低単価(CPC)は、10円から設定をすることができます。CPCの設定方法は以下の2つです。
- キャンペーン毎に設定・・・商品CPC
- キーワード毎に設定・・・キーワードCPC
キャンペーン毎(商品CPC)に設定する際は、CPCは10円から1,000円の間で設定することができます。この場合、キーワードは特に指定しないため、ユーザーの検索キーワードに対して関連があると判断された場合、自動的に商品が表示される仕組みです。
キーワード毎(キーワードCPC)に設定する場合、CPCは40円から999円の間で設定することができます。1商品10キーワードまで設定をすることができ、商品CPCよりも、キーワードCPCの方が優先されるようになっております。
楽天RPP広告を設定する際の注意点
楽天RPP広告は一度設定すると全商品が配信対象となります。そのため、配信したくない商品は「除外商品」として登録する必要があります。
楽天RPP広告のロジック・仕組みは?
楽天RPP広告の配信ロジックは公開はされていませんが、以下のような要素の組み合わせが重要と言われています。
- 商品のCPC(クリック単価)
- 商品の実績(売上件数、売上額、レビュー件数・・)
- 商品ページとキーワードの関連性
販売実績がある商品は低いCPCで表示されることがあっても、販売実績がない商品は同じCPCでの表示がされにくくなってしまいます。
そのため、販売実績がない商品はCPCを徐々に上げながら、どの程度のCPCであれば実際に検索結果ページに掲載されるのかを確認し、CPCを調整しましょう。
また、楽天RPP広告で表示しやすくするためには、商品ページとキーワードの関連性も重要です。
特に商品CPCのみで設定している場合は、キーワードを指定していないため、商品ページ内の以下3つの項目に重要なキーワードが入っているか、今一度確認してみましょう。
- 商品名
- キャッチコピー
- 商品説明文
楽天RPP広告はどこに表示されるのか?
楽天RPP広告は、主に楽天市場内検索結果に表示されます。PCページでは上位4枠、スマホページでは上位6枠、その他にも検索結果の中段枠に表示されるようになっております。(2023年5月19日時点)
検索結果以外にも、楽天市場TOPページ上でジャンルから入った一覧ページや、詳細検索でジャンルや条件を絞り込んだ一覧ページでも表示されます。
掲載される順番としては、入札単価だけでなく商品のスコアや実績も加味されますので、単純に入札単価が高ければ上位表示されるという競争原理ではありません。
楽天RPP広告表示<PC画面>
楽天RPP広告表示<スマートフォン画面>
楽天RPP広告設定後の反映時間
楽天RPP広告は通常の場合、登録してから最大で24時間以内に反映されます。設定してもすぐに表示されないという場合は、少し時間を置いて確認すると良いかもしれません。
また、広告表示がされない際によくあるケースとしては、楽天お買い物マラソンやスーパーSALEなどのイベント時でCPCが高騰している場合です。
イベントが始まってからだと、競合もCPCを上げてくるため表示されにくくなってしまいます、そのため、イベント前は可能な限り、イベントの直前や開始後ではなく、前日など余裕をもって設定することを推奨します。
楽天RPP広告のROAS・効果を最大化するためのコツとチューニング
楽天RPP広告でROASを最大化するためには、以下の方法を試してみましょう。
楽天RPP広告 効果最大化の方法 ①除外商品の設定
楽天RPP広告では除外商品を設定しないと全商品が配信されてしまうため、ROASが低い商品は除外商品として設定しましょう。
例えば、転換率が低い商品、単価が低い商品、項目選択肢の中に一部在庫切れがある場合などはROASが低くなりやすいです。
楽天RPP広告 効果最大化の方法 ②キーワード設定
検索された際に表示させたい特定のキーワードを、商品ごとに登録していきます。登録するキーワードとしては、以下のようなキーワードを参考にすると良いです。
- 楽天内のサジェスト
- 自店舗の流入キーワード
RPP広告の管理画面にて、キーワード設定をする際に目安CPCが表示されますが、ROASを最大化させるためには、目安単価を少し下回る金額設定をすることをおすすめします。
目安単価をそのまま設定する、あるいは目安単価以上のCPCに設定した場合、表示順位としては一番上に掲載される可能性が高くなりますが、上位に表示されるとクリックが取れやすくなるため、CVに繋がらないと無駄に広告費が消化されてしまうことになるためです。
上位表示された商品と比較検討してもらい、確実にCV(コンバージョン)に繋げるためには、目安CPCよりも少し低い単価で入札してみましょう。
しかしながら、目的がROASの最大化だけでなく、競合を抑えて上位表示させたい場合は、目安単価あるいはそれ以上の入札単価を設定しても良いです。
注意点として、CVに繋がらないと、どんどん広告費が消化されてしまうため、本来売上に繋げるための広告費を使用できなくなってしまうこともあるので、広告費の実績やROASの状況を見ながらチューニングしていきましょう。
楽天RPP広告 効果最大化の方法 ③CTR(クリック率)を上げる
楽天RPP広告のCTRとは、表示(インプレッション)に対してクリックされた率のことです。CTRの平均値を上げるためには、下記のような要素を見直すことがポイントです。
- 魅力的なサムネイル画像になっているか
- 商品名に重要なキーワードが入っているか
- 商品レビュー(レビュー件数、レビュー点数)
- 魅力的な販売価格になっているか
- 魅力的なポイント倍率が付与されているか
- あす楽に対応しているか
無駄にクリックを増やしてもROASはかえって悪くなってしまいますが、まずはクリックしてもらないとその先のコンバージョンに繋がりません。
魅力的な商品、魅力的なオファーが付与されていれば、クリックもされて売上にも繋がります。もちろん、クリックされた後の転換率を向上させる取り組みも同時に必要ですので、このあたりも並行して取り組んでいきましょう。
楽天RPP広告 効果最大化の方法 ④商品数によって運用方法を変える
以下、商品数(SKU)が少ない場合と多い場合での効果的な運用方法の違いをお伝えします。
楽天RPP広告運用 SKUが少ない場合
商品数が少ない場合のチューニングのやり方としては、まずは全商品で運用し、1商品ずつ表示順位も見ながら細かく調整していきましょう。
キーワードごとの調整だけでなく、季節需要やトレンドに応じ、商品ページと連動したSEO対策も定期的に行うことで売上最大化にも繋がります。
楽天RPP広告運用 SKUが多い場合
除外商品設定で商品を絞って運用しましょう。商品数が多いと管理が大変になってしまい、分析に時間もかかり結果的に効率が悪くなってしまいます。
また、カテゴリが複数ある場合は、効率の良いカテゴリに絞って運用することをおすすめします。
楽天RPP広告 効果最大化の方法 ⑤買い回りイベントを活用する
スーパーSALEやお買い物マラソンのイベント時は、以下のように対応するとよりROASの最大化が期待できます。
- 魅力的なオファー(楽天ポイント、楽天スーパーDEAL)に対応する
- 普段動きにくい高単価商品を強化する
特に、買い回りイベントの際はポイント好きなユーザーが集まるため、高単価商材でも購入してもらえるチャンスです。1点でも売れると、一気にROASが改善されることがあります。
楽天RPP広告の運用のコツとは?
楽天RPP広告の運用を効率的に行うために、以下のポイントをお伝えします。
楽天RPP広告運用のコツ① パフォーマンスレポートの正しい見方
楽天RPPパフォーマンス広告のパフォーマンスレポートをダウンロードすると多くの項目が表示されます。
売上金額やROASの中で「合計12時間」と「合計720時間」の2種類が表示されますが、これはクリックされてから何時間以内にコンバージョンに繋がったか、ということを表しています。
楽天の場合は商品ページを閲覧し、イベントのタイミングや5と0のつく日のタイミングにあわせて購入するユーザーが多いので、分析やチューニングを行う際は、「合計720時間」を見るということを覚えておきましょう。
パフォーマンスレポートの活用方法は店舗様によっていくつもパターンがありますが、まずは以下の方法を試してみることをおすすめします。
- オートフィルタをかけ、広告費(実績額)が多くかかっている順に並び替える
- ROASが低い商品は入札単価を下げるか、商品の除外設定を行う
- クリック数が多くて売上に繋がっていない(CTR良い×CVR悪い)商品は、入札単価を下げるか、除外設定を行うか、商品ページやオファーを改善する
- ROASは高いが広告費(実績額)が少ない商品は入札単価を上げてみる
楽天RPP広告運用のコツ② 実績があまりない商品・比較的新しい店舗の場合
除外設定を行わず、まずは全商品を配信します。1か月から2か月程度運用してデータを集め、傾向を掴んだ上で、除外設定やキーワードごとの調整をしていきましょう。
楽天RPP広告運用のコツ③ ミドルワード、スモールワードでの露出を行う
ミドルワードは、ビッグワードよりも検索ボリュームが少ないワードのことを指します。また、スモールワードとは、ミドルワードよりもさらに検索ボリュームが少ないワードのことです。
例としては、ビッグワードが「うなぎ」の場合、ミドルワードは「うなぎ 国産」、スモールワードは「うなぎ 国産 訳あり」のようなイメージです。
競合が多いケースなど、出稿しているのに楽天RPP広告が表示されないというケースもあります。広告が表示されない場合は、ビッグワードをいきなり狙わず、ミドルワード、スモールワードでの露出を狙ってみましょう。
楽天RPP広告運用の具体的な改善事例(ケーススタディ)
実際に筆者がコンサル会社に勤めていた時に、楽天RPP広告を効率よく運用したことにより、ROAS(費用対効果)の改善だけでなく、売上を伸ばすことができた事例をひとつご紹介します。
具体的な改善事例①<食品(珈琲豆)を取り扱っているA社>
楽天RPP広告運用の状態
広告経由売上も伸び切らず、ROAS(費用対効果)も低い状態が続いていた。
楽天RPP広告運用の成果が低い原因
出稿対象が多く、成果に繋がらない商品に無駄に費用があたっていた。
楽天RPP広告運用の改善対策
- 単価が低い・ROASが悪い商品など不採算商品を除外設定
- 全体の商品CPC を低めに設定
- CVRが高い商品の商品CPCを高く設定
- 上記に加え、「珈琲豆」や「コーヒー豆」などのビッグワード+複合キーワードなどCVが期待できるキーワードのキーワードCPCを高く設定
楽天RPP広告運用の改善結果
ROASが180%→320%に改善、広告経由売上が昨対比120%アップ
この店舗様は、出稿対象商品が非常に多く、それを精査するだけでもROASの改善が見込めました。
また「コーヒーメーカー」「コーヒーミル」など実際の売れ筋商品とは異なる商品がキーワードに引っ張られ露出されていた為、直接購入に繋がらない商品やキーワードに広告費が多く使用されていました。
上記対策を行ったことにより、本来露出したい、売上につながるキーワードに費用をあてることができたため、結果的にROASの改善と全体売上アップにも繋がりました。
上記は直近でスタートしたばかりの数値を共有しましたが、更に広告調整をすることで、この店舗様はまだまだ改善が進められる状況です。
その他、弊社で取り組んだ活動で広告効果(ROAS)含めて、売上も大幅に拡大した事例などもありますので、よろしければ一度覗いてみてください。
事例
楽天RPP広告利用時の注意点
楽天RPP広告を運用するにあたり、以下のような仕様を理解した上で運用しないと、無駄な広告費を使ってしまったり、ROASの悪化に繋がったりすることもあるため注意が必要です。
①除外商品設定
前述しました通り、RPP広告は店舗全体の商品が自動的に配信対象となります。そのため、配信したくない商品は必ず除外設定を忘れずに行う必要があります。
例えば、新商品を登録して販売開始をした際も、何も設定をしなくても楽天RPP広告の配信対象となってしまうため注意が必要です。
また、項目選択肢がある商品で一部欠品している場合、CVRが下がる可能性が高いため、実績を見ながら除外設定をしましょう。
②入札単価はそのまま消化される
200円で入札した場合、競合が100円で入札していたとしても、1クリック200円のまま広告費が消化されます。
他モールと比較するとイメージしやすいですが、例えばAmazonのスポンサープロダクト広告の場合は、高い入札単価で設定していても、実際に広告費として計上されるクリック単価がそのまま消化されるわけではなく、競合の入札単価によって単価が決まります。
以下のように楽天RPP広告とAmazonのスポンサープロダクト広告では仕様が異なるため、複数モールを運用している事業者様は注意が必要です。
例)
<Amazonスポンサープロダクト広告>
▼競合の入札単価によって、クリック単価が前後する
①200円で入札 → クリック単価20円 × 10クリック = 広告費4,000円
②200円で入札 → クリック単価100円 × 10クリック = 広告費20,000円
<楽天RPP広告>
▼入札単価=クリック単価
・200円で入札 → クリック単価200円 × 10クリック = 広告費40,000円
そのため、一気に広告費が消化されてしまうことを避けるためには、徐々に入札単価を上げて実際の表示順位を確認しながら、最適な入札単価を随時確認しながらチューニングすることが大事です。
③予算設定が日別にできない
月の予算は設定ができますが、日別の予算設定はできません。そのため、月の予算に対して1日ずつ平均的に配信されることはなく、イベント時などは一気に月の予算が消化されることもあるため、事前に入札単価を調整するなど注意が必要です。
④イベント前は余裕をもって設定する
イベント時はスタートやラストスパートのタイミング、5のつく日・0のつく日と重なるタイミングにアクセスも集中します。
前述しました通り、楽天RPP広告は、登録後24時間以内に反映されますが、イベント前は特に反映に時間がかかる場合もあります。
イベントのタイミングで競合も単価を上げてくることを見越して、余裕をもって入札単価を調節しておくことが重要です。
総括|楽天RPP広告効果的な使い方(コツとチューニング)について
本記事では、楽天RPP広告の効果的な使い方についてお伝えしました。楽天RPP広告は、低予算から開始でき、設定も簡単なだけでなく高い費用対効果も期待できるためおすすめの広告です。
また、広告効果を最大化させるためには、広告の仕様を理解して運用を行うだけでなく、並行してSEO対策や商品ページの改善を行うことが店舗全体の売上最大化に繋がるということもしっかりと抑えておきましょう。
しかしながら、楽天RPP広告の重要さを理解していても、以下のようなお悩みを持っている店舗様も多いかと思います。
- 「知識を身に付けても、運用ができるリソースが少ない」
- 「運用ができても、数字の見方がわからない」
- 「客観的に具体的な分析やアドバイスをしてほしい」
弊社では楽天RPP広告の運用やサポートだけでなく、店舗運用代行やコンサルティングまで、EC領域のプロフェッショナルな人材が実運用とアドバイスのどちらも行うことが可能です。