Googleアナリティクスで何が出来る?設定~ECサイトでの活用方法まで徹底解説【実践編】
2024.07.01
想定読了時間 6 分ECサイトの公開やECモールへの出店を果たして、一安心と思っていたら、思い描いていたようには商品が売れず困っていませんか?そこで、売り上げアップの方法やサイトの改善方法を調べて、ここのページにたどり着いた方も多いかと思います。
- Googleアナリティクスを設定はしたけど、どこから手をつけたらいいのかわからない
- Googleアナリティクスの数値を見ているけど、果たしてこの数値がいいのか悪いのかわからない
- GoogleアナリティクスもECサイトの改善も、何がわからないのかがわからない
この記事ではそんな悩みを抱えている人のために、実際に今日からGoogleアナリティクスを使ってできることを実践編としてご紹介いたします。
ECサイトの立ち上げからコンテンツ制作、運用管理まで長年やってきた人でも、実はGoogleアナリティクスの詳細な機能まで使いこなしている人は意外と少ない印象です。まずは基本の操作や自分に必要な機能だけ抑えれば、十分にGoogleアナリティクスは活用していけるので、安心して始めてみましょう。
目次
なぜGoogleアナリティクスが必要なのか
突然ですが、以下の問いに回答してみてください。
- あなたのサイトには毎日何人の訪問客(ユーザー)がいますか
└どの時間帯の訪問が多いでしょうか。
└月曜日~日曜日、もしくは月初・月末まで毎日全く変化はありませんか
- 訪問客はあなたのサイトをどのように見つけていますか
└Googleなどで商品を検索しているのか
└SNSなどからきているのか
- 訪問客はサイトのどのページを一番見ていますか
└サイトで一番初めに見られているページはどこですか
└そのページは十分に対策されていますか
もしこの質問すべてに明確に数値やパーセンテージで回答できるようであれば、問題ありません。あとは、さらに改善点を見つけPDCAを回していくだけです。
ただ、この質問すべてに自信をもって回答できない場合は、今日からGoogleアナリティクスが集計してくれるデータを見て、サイト全体の把握をしていきましょう。
Googleアナリティクスは、このような数値を全て可視化してくれるツールです。
実店舗を持って自分一人で店番をしていれば、なんとなく「週末の方が来客が増え、女性が大半で、隣のレストランに寄ったついでに入ってきている人が多くて、レジ付近のキッチンツールを見ている人が多い」など、感覚でわかることもあるかもしれません。
ただ、ネット上では人が見えないというところが、大きな差です。そこで、Googleアナリティクスを使って、上記のようなデータを見つけることで、「週末の女性客が多くて、キッチンツールを見ている人が多いので、もっと見つかりやすい場所にキッチンツールを紹介しよう」などの、対策が立てられるのです。
ECサイトの改善策
- どこから手をつけていいかがわからない
- 現状把握をする
- 改善策を練る
後半2ステップの大きな手助けとなるのが、Googleアナリティクスです。それでは、具体的にどの項目を見ていけばいいかを紹介してきます。
Googleアナリティクスの使い方:3つのポイント
Googleアナリティクスはまずこの3つの基本を押さえましょう。
ここでさらに「もっとこんなデータが見られればいいのに」という疑問がわいてくれば、その際に詳細な使用方法を習得していければOKです。
2.1「ユーザー」を確かめよう
Googleアナリティクスの左メニューから「ユーザー」→「概要」を開きます。ここのレポート画面では、指定された期間(デフォルトでは直近1週間)内でのデータが表示されます。数値で見ると、ざっくり以下のことが読み取れます。
「サイトに訪問した人は、220,534人(ユーザー)。平均で2分23秒(平均セッション時間)サイトに滞在していて、平均で3.26ページ(ページ/セッション)見ている」
上記の読み取りはあくまで、一例なので、「訪問のうち、新規のユーザーが202,565人(新規ユーザー)」ということは「リピーターは17,969人((ユーザー)―(新規ユーザー)」などでも、もちろんOKです。
大切なのは、まず数値をただ眺めるだけではなく、そこから現状を把握することです。それがいいのか悪いのかは、この現状把握ができるようになっていくとわかっていきます。
時間別・日別・週別に可視化
また、毎日見る際に視覚化して確認をしておくのもおすすめします。
右上の日付選択では、1日分を選択してその下のボタンで「時間別」を選択します。そうすると、1時間毎のユーザーの訪問数が表示されますが、これが通常の動きであった場合に、ある日突然夜中の22時の訪問が増えていた、お昼の訪問が極端に少なかった、などの事象に気づくことができます。
これは、例えば日付を1週間に絞り、「日」のボタンを選択すれば、曜日ごとの差異も可視化ができます。まずは、「その日の全体数を知る」→「時間帯別に見る」を毎日行い、サイトの「通常」を知ることから始めましょう。
この通常時の数値が把握できるようになると、例えばページのどこかに不具合がありPV数が極端に減っていたり、滞在時間が短くなっていたりなどの異常に早く気づいて対処が出来て、機会損失を最小限に抑えることができます。
また、突然テレビやSNSで紹介されてアクセスが増えていたりなどの動きに気づいて、貴重な機会を有効に使っていくこともでるでしょう。
デバイスの割合をチェック
毎日見る必要はあまりありませんが、ページやサイトがパソコン・tablet・スマホなど、どのデバイスからユーザーがみているのかも確認ができます。左メニューから「ユーザー」→「モバイル」→「概要」を開きます。
楽天やyahooなどのモール系を始め、ECサイトでもBtoCの場合「mobile」の割合が大半になることが多いでしょう。サイト制作者が陥りがちなのは、サイト制作時にはPCの画面で作業や確認をしていることが多いことです。
実際にはスマホからアクセスするユーザーが大半なのに、スマホの実機での確認を怠っており、スマホでは写真が小さく表示されていたり、文字が見にくく、機会損失に繋がっていることがあります。
まずは、サイトが見られるデバイスの割合を把握し、最も割合の高いデバイスから改善していくことが、大きな改善に繋がっていきます。
実践してみましょう!
(毎日)
☑ ユーザー/滞在時間/PV/平均セッション数などをチェック
*この場合アナログですが、エクセルなどに自分で毎日数値を入れていくなどをすると、毎日管理画面を眺めるより、感覚的に覚えていけるのでおすすめです。
☑ 時間毎の訪問(ユーザー/セッション/PV)をグラフでチェック
(毎週)
☑ 曜日毎の訪問(ユーザー/セッション/PV)をグラフでチェック
(3-4カ月に一度)
☑ デバイス毎の割合に大きな変化がないか確認
2.2「集客」を把握しよう
次にGoogleアナリティクスの左メニューから「集客」→「すべてのトラフィック」→「チャネル」を開きます。
ここのレポート画面では、サイトに訪れる際のユーザーの流入経路が表示されます。流入経路(=チャネル)とは、「ユーザーがどこから(あなたの)サイトに来たか」ということです。
例えば、卓上加湿器販売している場合、ユーザーは「卓上加湿器」とGoogleで検索した際に、リスティング広告見つけた(Paid Search)かもしれないし、上位に表示された自然検索(Organic Search)から来たかもしれません。
もしくは、既に購入したお客様がブログでリンク付きで紹介(Refferal)してくれたか、インスタグラムで出している広告を経由したか、などがここの数値からわかります。
さて、ここでもただ数値を眺めてみても、「いいのか悪いのか、問題があるかどうかもわからない」というだけで改善方法には結びつきません。
「SNS広告を強化したから、集客も増えてCVも増えているか確認したい」などの、明確な目的がある場合はその数値の差異を確認すればよいでしょう。
ただ、「実情を知る」「改善点を見つけたい」という場合には、以下の点に注目してみましょう。
- 一番集客が集まっている流入経路はどこですか。
- 一番平均セッション時間が長い流入経路はどこですか。
- 一番CV数が多い流入経路はどこですか。
上図の場合、①は「Social」②③は「Affiliate」になります。①が多い理由は、この商材の場合SNS広告はクリック単価が低いため、積極的に広告を配信しているからです。但し、もっとも集客をしているものの、獲得には結びついていません。
②③が多いのは、この商材を意図するキーワードを検索すると、この商材を実際に使用した人の口コミやレビュー記事がたくさん見つかります。ユーザーとしては、「Aという商品が気になるから、検索」しているので、そもそも商品を探している顕在層です。
さらに「実際に使用した人のレビューを見て、さらに興味を持ってサイトに訪問した」ということになるので、必然的にCVR(獲得率)は高くなるのです。
このように、サイト全体のCVRは1.08%とわかっていても、流入経路別に比較すると、アクセス数もCVRも全く異なります。それでは、この場合「Social」と「Affiliate」のどちらに注力していったらよいでしょうか。
すでに集客がたくさんあるから、「Social」の獲得率をあげれば、大きな獲得数の改善が見込まれます。もしくは、既に高い獲得率の「Affiliate」の集客がもっと増えれば、こちらも獲得数の増加が期待できます。
それらの方法は、広告の出し方やランディングページの改善など様々ありますが、まずはどこに施策を打っていくかを、Googleアナリティクスで見極めてみましょう。
良いところを伸ばし、悪いところを改善するのが、サイト改善の鉄則です。この改善ポイントを見つける方法の一つがこの「流入経路分析」です。
実践してみましょう!
(毎月)
☑ 流入経路の変化をチェック
前月と比較して、流入経路の割合に変化はないか。(1位だったものが極端に減っている、新しい流入経路が出来ている、等)
☑ 各チャネルの変化
前月と比較して、極端にCVRや滞在時間が下がっている・上がっているところはないか。
2.3「行動」をチェックしてみよう
3つ目のポイントとして、Googleアナリティクスの左メニューから「行動」→「サイトコンテンツ」→「ランディングページ」を開きます。
「ランディングページ」とは、「LP(Landing Page)」ともよく言われますが、お客様があなたのサイトに訪問する(着地=ランディングする)時の入り口となるページです。
お店に入った時、お店の雰囲気や目に入った商品が気に入れば、お店の奥に入っていきますよね。サイトでも、そのサイトに到達した時のファーストインプレッションは非常に大切です。まずは、お店の顔(入口)になっているページがどこで、そのページに問題はなさそうかをチェックしてみましょう。
ここで注目したい点は、以下の3つです。
- お店の入り口(ランディングページ)になっているページはどこですか。
- ランディングページのCVRはどのくらいですか。
- ランディングページの直帰率はいくつですか。
上図の場合は、セッション数で一番多くなっているページが顕著ですが、サイトによってはランディングページのTOP3が同じくらいという場合もあるかもしれません。20も30もある場合は、少ないと思いますが、まずは最も人が集まっているところに着目するのがポイントです。
では、ランディングページの1位のCVR・直帰率はどうでしょうか。
この場合、ランディングページ1位になっているページでのCVは162件と最も多く、CVRも高い状態です。実は、以前からこのページはCVRは高かったのですが、広告のランディングページとしては使用しておらず、他のページを広告からの遷移先に設定していました。
そのため、セッション数は今の1/3ほどでCVRが高くとも、獲得できる件数は50件ほどでした。ただ、このページの滞在時間が長いことや、最終的に他のページから流れてくる人が多いことを見つけ、広告の遷移先に変更をしました。
すると、このページがランディングページとした集客ができ、件数の増加に繋げることができたのです。
また、「ランディングページ」=店の入り口なので、直帰率を指標に改善していくことも大切です。直帰率とは「サイト内の 1 ページしか閲覧されなかったセッション」のことです。つまり、このページを見た後、他のページを見ず、離脱した場合は1とカウントされます。この率が高いほど、「他のページは見なかった」ということになります。
あなたのサイトが1ページで全てが完了するのであれば、直帰率が高いことは問題ではありませんが、他の商品を見たり、お申し込みフォームを経由したり、他の記事を読ませることを目標にしているのであれば、直帰率は下げる(=他ページへ誘導させる)ことが必要です。
上図の3番目のランディングページは、集客は出来ているものの、一番のページと比較すると直帰率は37.68%⇒68.11%と高く、平均セッション時間も1/3以下になっています。つまり、このページは今来ているユーザーに対して、十分の訴求が出来ておらず離脱に繋がっているのです。
(※ちなみに2番目のページはお問い合わせページでCV目的ではないので、この場合は問題ではありません)
この場合は、まず3番目のランディングページの改善を進めることが優先になるでしょう。このように、ランディングページからも改善ポイントを見つけることができるのです。
実践してみましょう!
(毎月)
☑ ランディングページの変化をチェック
前月と比較して、ランディングページの割合やユーザー数の順番の変化はないか。(1位だったものが極端に減っている、新しいランディングページが上がってきている、等)
☑ 各ランディングページの変化
前月と比較して、極端にCVRや直帰率が下がっている・上がっているところはないか。
(ページの改善を行った時)
☑ 対象ランディングページの変化
施策前と比較して、CVRや直帰率が改善されているか。
総括
いかがでしたでしょうか。Googleアナリティクスを使って出来ることは、たくさんありますが、基本となるのは「ユーザー」「集客」「行動」です。
まずは、今回ご紹介したレポートを定期的に確認して、現状把握をしてみてください。毎日行うこと、毎週行うこと、毎月行うことで、定点で確認する項目に動きや変化があることに気づくことができます。また、日々実態を把握することで、改善すべきところやうまくいってる箇所を見つけることに繋がります。
この記事を参考に、ぜひ今日からGoogleアナリティクスを有効活用していきましょう。