楽天市場広告の種類とは?ECCから広告を提案された時に知りたい内容を現役店長が徹底解説
2024.07.01
想定読了時間 6 分楽天市場に出店し広告を活用したいものの、多くの種類がありその使い方や効果測定などが分からないという方も多いのではないでしょうか。
- 「楽天市場広告の種類はたくさんあるけど、どれが良いのかな?」
- 「楽天ECCから楽天市場広告の提案がきたけれど、どうしよう」
- 「楽天市場で売上をあげるには、やっぱり広告が必要かな?」
楽天市場で商売をしていると、いずれかのタイミングで検討せざるを得ないのが広告です。他店舗が掲載している広告や、楽天ECCから広告の紹介を受けると、どうしても気になりますよね。
しかし、自社の商品や広告予算にぴったりなものを探すのはなかなか難しいですよね。そこで本記事では、楽天市場広告の種類を紹介した上で、どのような広告を選定すべきかについて解説します。
また弊社ではECのプロによる楽天運営サポートや楽天広告運用代行・運営代行サービスも行っておりますので、是非一度お気軽にご相談ください。
目次
楽天市場広告の種類(メニュー)とは?
楽天市場広告には主に3種類の広告があります。
- ディスプレイ広告(楽天市場広告)
- ニュース広告
- 運用型広告
それぞれ順番に見ていきましょう。
1. ディスプレイ広告(楽天市場広告)
ディスプレイ広告とは、楽天市場内に画像で掲載される広告です。掲載枠と希望する掲載期間を選定し、自社で画像を入稿すると広告が掲載されます。
広告は以下のような場所に掲載されます。
- 楽天市場トップページ
- 各ジャンルページ
- スーパーセールやお買い物マラソンの特集ページ
- 母の日やお歳暮などの季節特集ページ
広告の掲載場所は、いずれもお客様のPV(ページビュー)が多い場所ばかりです。つまり、多くのお客様が訪れる場所に看板広告をだすイメージと捉えると良いでしょう。
注意点1. 希望枠が買えない場合がある
ディスプレイ広告の1つ目の注意点は、人気のディスプレイ広告は希望しても買えない場合がある点です。特に母の日やお歳暮などの季節特集ページは「大口」と言って、広告の購入予定金額が高い店舗から優先的に販売されます。
そのため、季節特集ページの購入を検討している場合は、担当のECCに相談してみると良いでしょう。
注意点2. 広告経由のアクセス数が不確定
2つ目の注意点は、広告経由のアクセス数が不確定であることです。
ディスプレイ広告を見てタップ(もしくはクリック)してくれるお客様の数は、保証されていません。広告を掲載しても全くタップされず、広告費がムダになる可能性があります。
そのため、魅力的なバナーを作ることが大切です。思わずタップしてしまうような写真や色使い、キャッチコピーを工夫しましょう。ポイントは、広告を見たお客様にどのように感じてもらい、行動して欲しいのかを考えて画像を作成することです。
美味しさであればシジル感を。機能性であるならば商品の特徴を端的に連想させる写真やキャッチコピーを作成しましょう。
2. ニュース広告
ニュース広告は、楽天市場が配信しているメールマガジン(ニュース)に広告を掲載するものです。
掲載場所は楽天市場で配信している85種類(※2022年8月1日時点)のメールマガジンとなります。広告掲載を希望するメールマガジンを選定し、購入する流れです。
ニュース広告の特徴は、これまでリーチできなかった顧客層にアプローチできる点です。たとえば、楽天グルメニュースは食品に興味があるお客様が自らの意思で登録しています。この顧客層に対して、自社の商品を掲載し告知できるのです。
注意点としては、ニュース広告に掲載する商品の単価に注意しましょう。たとえば、5,000円と1,000円の商品がニュース広告に掲載された場合、やはり1,000円の商品が購入されやすい商品でしょう。
そのため、ニュース広告は衝動買いを誘う商品や、価格訴求力がある商品と相性が良いと言えるでしょう。
3. 運用型広告
運用型広告は楽天市場の検索結果のページに、自社商品を表示させる広告です。
広告によって、クリック数やクーポン券の獲得数など、顧客のアクションに応じて広告費用が発生します。運用型広告の特徴は、お店側で入札単価を調整できることです。
先に解説したディスプレイ広告やニュース広告は、1度広告を購入すると、広告費や掲載する商品を変更することはできません。しかし、運用型広告であれば、掲載する商品や露出にかかる費用を店舗側で調整できます。
注意点としては、入札単価や掲載商品のメンテナンスが必要であることです。上位表示に必要な入札単価は常に変動するため、最適な費用を設定する必要があります。
楽天市場広告でおすすめの広告とは?
多くの種類がある楽天市場広告の中で、おすすめの広告はどれでしょうか?おすすめの広告は、自社の売上規模によって変わってきます。
たとえば、以下のような流れが良いでしょう。
- 店舗の売上が低い間は運用型広告から開始する
- 売上が立ってきたらディスプレイ広告やニュース広告を活用する
理由は、ディスプレイ広告やニュース広告は、購入単価が高くなりがちです。そのため、まずは小額の運用型広告を実施すると良いでしょう。
楽天市場おすすめ広告1. 楽天RPP広告
RPP広告とは、Rakuten Promotion Platform(楽天プロモーションプラットフォーム)の略であり、検索結果に自社商品を上位表示する広告です。RPP広告の特徴は、月額予算5,000円から広告開始できる手軽さです。
最初に何十万円もの広告を投下する必要がないため、初めて楽天市場に広告を出すならば、RPP広告が良いでしょう。
1. RPP広告の運用手順
RPP広告の運用手順は、以下の通りです。
- キャンペーン名を決める
- ステータスを有効にする
- 継続月予算を入力する
- 商品を選定する
- CPC単価を入力する
RPP広告には商品CPCとキーワードCPCがあります。商品CPCは10円から。キーワードCPCは40円から設定が可能です。
RPP広告は、登録している商品の情報を元に露出されるため、以下の情報がキーワードと連動していなければなりません。
- 商品名
- キャッチコピー
- 商品説明文
- タグID
- 購入につながった検索キーワード
たとえば、「誕生日 プレゼント」というキーワードで露出したい場合、商品名などにキーワードをあらかじめ登録しておきましょう。また、過去にお客様が「誕生日 プレゼント」で検索し、購入に至った実績も加味されます。
該当キーワードで検索し、購入に至った実績があるということは、お客様が求めている商品を提供できている証拠です。そのため、楽天市場としては検索表示させておき、お客様の検索ニーズに応えたいということでしょう。
2. RPP広告の検証方法
検証方法としては、次の指標を用いると良いでしょう。
- CPC実績
- 転換率
- ROAS
- 注文獲得単価
噛み砕いて言い換えると、以下のようなイメージです。
- 1クリックを取るために広告費用をいくらかけたか(=CPC実績)
- どれくらいの割合でお客様が購入してくれたか(=転換率)
- 費用対効果はどうだったのか(=ROAS)
- 1件の注文をいただくための広告費はいくらだったのか(=注文獲得単価)
これらの情報は広告を運用後、数値結果が掲載されている「パフォーマンスレポート」で確認できます。パフォーマンスレポートを元に数値を把握し、次のような対応をすると良いでしょう。
- まずは最低限のCPC単価で登録する
- 楽天市場で該当キーワードを検索する
- 検索結果に表示されているかを確認する
検索結果に表示されない場合、以下の対応をしてみましょう。
- 露出させたい商品の商品名やキャッチコピー、商品説明文にキーワードが入っているかを確認する
- 商品とキーワード、お客様の検索ニーズがあっているかを検証する
- 入札単価を上げる
たとえば、「誕生日 プレゼント」というキーワードで商品を露出させたくとも、当該商品が誕生日プレゼントにふさわしくない商品であれば、お客様の検索ニーズと合致しません。そのため、検索結果に露出されることはないでしょう。
そのため、まずは該当商品に対して、ギフトパッケージやメッセージカードに対応するなど、誕生日プレゼントにあった準備が必要です。
その結果、「誕生日 プレゼント」で検索したお客様に商品を買っていただけるようになると、検索上位に少しずつ表示されるようになるでしょう。
3. RPP広告の注意点
注意点としては、RPP広告の月別予算を設定すると、自社で販売しているすべての商品(倉庫に入っている商品は除く)が表示対象となる点です。
そのため、広告表示をさせたくない商品については除外登録をしておくと良いでしょう。
除外登録をすべき商品は、広告費を投下しても収益が上がらない商品です。
たとえば、以下のような商品が該当するでしょう。
- 単価が低い商品
- 粗利率が低い商品
広告費の投資効率を高めるために、除外登録をしっかりと活用しましょう。
楽天市場おすすめ広告2. 楽天クーポンアドバンス広告
クーポンアドバンス広告は楽天市場のトップページや検索結果にクーポンが表示される広告です。
配信対象先は、商品と親和性が高いユーザーを楽天市場が自動で選定し、表示してくれます。
1. クーポンアドバンス広告の運用手順
店舗側としては、以下項目の設定をしましょう。
- キャンペーン名と開始日
- 月額予算(最低5,000円)
- クーポン1獲得あたりの入札単価
- 1ユーザーあたりの利用回数上限
- クーポンの併用可否
- 値引率と配信商品設定
- 除外商品リストの適用
初めて運用する場合は、まずはスモールテストをすると良いでしょう。理由は、クーポン券の割引率や効果がある商品を把握するためです。
やり方は、以下のような流れです。
- 月額予算を5,000円で設定
- 値引率と配信商品設定を「手動」に設定
- 値引率を最低の「4%」で設定
- 配信商品を「手動」で設定
その結果、配信商品を自社で登録する必要がありますが、最小限の範囲でクーポンアドバンス広告を活用できるでしょう。
2. クーポンアドバンス広告の検証方法
RPP広告と同じように、パフォーマンスレポートで検証をします。クーポン券の取得枚数や利用状況を把握し、割引率の再設定を実施します。
一方で、広告に掲載している商品の、商品ページも必ず見直しましょう。理由は、クーポン券の利用率を上げるには、魅力的な商品ページが欠かせないためです。
3. クーポンアドバンス広告の注意点
クーポンアドバンス広告の注意点としては、クーポン券の値引額は自社負担となる点です。
そのため、掲載商品に対して広告費を使って販売しても、しっかりと利益が出ることを事前に確認しておきましょう。
弊社でも多くの企業様で広告改善を行い、以前よりも数100%成長のROASを実現した事例などもありますので、よろしければ覗いてみてください。
事例
総括|楽天市場広告の種類とは?ECCから広告を提案された時に知りたい内容について
本記事では、楽天市場広告の種類について解説しました。その中でも、運用型広告のRPP広告とクーポン広告は、少ない費用で広告運用が開始できるため、おすすめの広告です。
まずは運用型広告で、どのような商品がお客様の反応があるのかを確認し、売上規模が大きくなってきたら、ディスプレイ広告やニュース広告を追加していくと良いでしょう。
とはいえ、
- 広告に詳しい人間が社内にいないので、設定後の運用管理が難しい
- 競合などモールの状況を見ながら、広告を調整するための感覚が乏しい
- 細かい対応が必要なためアドバイスだけではなく、ハンズオン型での関わりがほしい
このように思われるかもしれません。そのような方は、是非一度弊社にご相談ください。
通常のコンサルティングはもちろん、楽天ショップの運用全般の実務サポート含め、EC領域で10年前後のキャリアがある即戦力人材が、アドバイスと実務の両方を提供いたします。