【現役ECコンサル解説】楽天市場の競合分析調査の方法と分析ツールについて
2024.07.01
想定読了時間 5 分楽天市場で売上を上げる第一歩は、アクセス数の確保です。店舗への流入でメインの参照元となる検索結果で、いかに競合商品よりもクリックされるかが重要となります。
このように楽天市場で売上を上げるためには、競合商品よりも魅力的である必要があり、そのためには競合分析が重要となるのです。
本記事では、現役ECコンサルタントの筆者が楽天市場における競合分析・調査の方法と、おすすめの分析ツールについて解説します。
また弊社ではECのプロによる楽天運営サポートや楽天広告運用代行・運営代行サービスも行っておりますので、楽天運用でお困りの方は是非一度お気軽にご相談ください。
目次
楽天市場における競合分析・調査の目的
楽天市場で売上アップのためには「競合分析が大切」と聞いたことがあるが、実際にどのような目的で実施し、どう活かすのか分からない方も多いでしょう。
本パートでは、競合分析・調査の必要性とメリットを解説します。
楽天市場のおける競合分析・調査の必要性とは?
皆さんが楽天市場で商品を購入するときの流れを思い出してみてください。多くの方が、楽天市場トップの検索窓にキーワードを入力し、検索結果に表示されている数多くの商品から、イメージに近い商品をクリックするでしょう。
この流れにおいて売上アップの観点でポイントになるのが、「検索結果に表示されている数多くの商品から、いかにクリックされるか」です。
要するに競合よりも魅力的である必要があり、自社商品を魅力的に見せるためになにを対策すべきかを知るためには、競合分析をして競合商品の理解を深める必要があります。
楽天市場で競合分析・調査をするメリットとは?
競合分析をすることのメリットは、以下の通りです。
- 上位表示されている商品の売れている理由を把握できる。
- 競合商品と比較して、自社商品の強み・弱みを認識できる。
- 楽天市場でのトレンドを把握できる。
とくに重要なのは、「競合商品と比較したときに自社商品の強みと弱みはなにか」を把握できる点です。
これにより、「売り手が推したいポイント」ではなく、「買い手が知りたいポイント」を訴求できるようになります。
逆に、競合分析を行わない場合、売り手が伝えたいポイントばかりを訴求してしまい、ユーザーに全く響かない可能性があります。
市場で売れている商品を理解することで、その市場で自社商品をどのように魅せるべきかを知ることができるのです。
その結果、検索結果でのクリック率(CTR)を上げ、その後のLPに流入した後も購入・売上アップへ一歩前進します。
楽天市場における競合店舗の選び方・選定基準
では実際に競合調査を行う際に、具体的にどの店舗を競合・ベンチマークとしたら良いでしょうか?
本章では、実際に競合分析をする場合に見るべき観点について解説します。
自社商品と類似した商品扱っている店舗
まずは、自社商品と類似している商品との比較が重要です。
RMS>データ分析>3. アクセス・流入分析>楽天サーチで、売りたい商品がよく検索されているキーワードをチェックし、そのキーワードを楽天市場で検索した際に出てくる上位商品を確認するのがよいでしょう。
検索する場合は、自身の閲覧履歴などが結果に反映しないように、シークレットウィンドウで検索をかけるようにしてください。
自社の販売顧客層(ターゲット層)と同じ顧客層を対象とする店舗
つづいて、自社のターゲット層と同じ顧客層を対象としている店舗を分析しましょう。自社と異なる商材を扱っている場合でも、同じターゲット層に向けてどのような対策をしているのかは真似できるポイントです。
たとえば男性と女性で、商品LPでの構成の仕方が異なったり、ページ全体のカラーやテキスト量も変わってくるでしょう。
また商品のパッケージや、キャッチコピーも参考になり、自社の顧客エンゲージメントを高める新たなアプローチを考案する大きなヒントとなります。
自社商品が解決する顧客の悩みが同様の商品を扱っている店舗
自社商品が解決する顧客の悩みと、同様の商品を扱っている店舗も分析しましょう。
例えば、腹筋ローラーを扱っている場合、この商品を使うことで「痩せたい」というユーザーの悩みが叶うとします。
この場合は、「痩せたい」という悩みを解決できるほかの商品「ダイエットサプリ」「ローカロリー食品」といった商品が分析対象になります。
全く異なる商品のため、一見不必要な分析に感じるかもしれません。
しかし、「痩せたい」というユーザーに対してどのような訴求で商品を販売しているのか、キャッチコピーやLP構成、サムネイルの表現、商品名にどのようなSEO対策をしているのかなど、そこには重要なヒントが多数眠っています。
楽天市場の競合調査で行うべき3つの分析方法
実際に競合調査を行う場合は、以下3つの分析方法がおすすめです。
3C分析
3C分析は、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの要素を詳細に調べる手法です。
まず「顧客」に焦点を当て、ターゲット顧客層のニーズや購買行動を深く理解します。
次に「競合」を分析します。競合他社の商品ラインナップや価格設定、クリエイティブ、販売戦略を調べ、自社と比較します。
最後に「自社」を評価し、自社の強みと弱み、市場でのポジションを客観的に見定めます。このプロセスを通じて、楽天市場での戦略を策定するための基盤となる情報を収集できます。
SWOT分析
SWOT分析は、強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つの要素を評価する手法です。
強み・弱みは「自社」を評価し、機会・脅威は「競合」を分析します。
たとえば、競合他社との比較を通じて自社商品の独自性や弱点を特定したり、市場の変化や新たな顧客ニーズをチャンスとして捉えたりします。
この分析により、戦略的な意思決定を支えるための基礎が整います。
4P分析
4P分析は、商品(Product)、価格(Price)、プロモーション(Promotion)、販売場所(Place)の4つの要素を評価する手法です。各要素を自社と競合で比較しましょう。
商品分析では、競合商品の特徴や差別化ポイントを理解します。価格分析では、競合の価格戦略や市場でホットな価格帯を分析します。
プロモーション分析では、競合の広告や販促活動の効果を検討し、販売場所分析では、商品の流通や販売チャネルを比較します。
この4P分析を通じて、自社のマーケティング戦略を再評価し、改善点を見つけることができます。
参考記事:https://sora1.jp/blog/marketing-3c-4p-swot/
楽天市場の競合調査をする際に確認すべき5つのポイント
本章では、競合調査を行う際に確認すべき5つの重要なポイントについて解説します。
競合分析ポイント①サムネイルの画像とテキスト要素
まず競合商品と比較検討される第一関門は、検索結果です。検索結果には商品名や価格、ポイント、クーポン情報などが表示されますが、画面占有率の大きい情報はサムネイルです。
サムネイルに使用している商品画像が、白抜きなのかイメージ画像なのか、またどのようなテキスト情報をいれているかを確認しましょう。
とくに楽天市場では、商品画像1枚目(サムネイル)のテキスト占有率は20%以内とされています。
要するに掲載できるテキスト情報は限られており、競合がなにを謳っているのかを把握することで、差別化できる要素を洗い出せるでしょう。
競合分析ポイント②商品価格、ポイント、クーポン
ダイレクトにCTR、CTRに直結するのが販売価格・ポイント・クーポンです。ただし最安値ではないと絶対に売れないわけではありません。
あくまで要素の1つとして、いくらで販売されているのか、平常時とイベント時に分けてチェックしましょう。
またその他販売方法として、セット販売や配送方法、レビュー獲得のための施策など、あらゆる視点で競合店が行っている取り組みで良いポイントは徹底的にまねていきましょう。
競合分析ポイント③店舗独自の強み
とくに型番商品を扱っている場合は、「最安値を見る」の導線から価格比較されやすいため、店舗独自の強みを打ち出す必要があります。
競合店舗において、どのように商品に付加価値を付けているのかチェックしましょう。
付加価値の代表例は、送料無料・ギフト対応・保証期間の延長・品揃えの豊富さ・翌日配送などがあります。競合と被らない付加価値があれば、積極的に訴求しましょう。
競合分析ポイント④商品LP
商品LPには、構成(訴求の流れ)やデザイン、訴求ポイントなど数多くの売れるヒントが眠っています。
どのようなLP構成でユーザーの購買心理をくすぐっているのか、数多くある訴求ポイントのうちなにを押し出しているのかなど、ユーザーの立場になって見ていきましょう。
また売れている商品は、回遊設計にもこだわっています。商品LPの最後に自社の他商品への誘導や、アップセルや合わせ買いの仕掛けがあることが多いので、併せて確認してください。
競合分析ポイント⑤広告
検索結果の上位に出てくるRPP広告やクーポンアドバンス広告の利用有無や、TDA広告や純広告の出稿状況を確認しましょう。
RPP広告では、どの価格帯の商品を露出しているのか、TDA広告ではデザインやキャッチコピーなども要チェックです。
とくにイベント時に露出している店舗が多いので、競合店や競合商品の広告を見つけたらキャプチャを撮っておき、分析時に活かしましょう。
楽天市場の競合分析でおすすめの分析ツール3選
最後に、楽天市場で競合分析などに使えるツールを3つご紹介します。
楽天市場の競合分析ツール①Nint
Nint(ニント)は楽天市場の公開情報をもとに、売上・売上件数・商品価格・広告出稿状況などを分析できるツールです。
公開情報をもとにした推計値ですが、そのブレ幅は15%前後で精度が高いと言われています。無料トライアルがあり、料金プランは利用する機能数によって変動するため、問い合わせが必要です。
楽天市場だけではなく、Yahoo!ショッピングやAmazon、中国市場などの海外市場の分析も可能です。より精度が高く、粒度の細かい分析をしたい方におすすめです。
楽天市場の競合分析ツール②Market Pulse
Market Pulse(マーケットパルス)は、楽天とYahooショッピングのランキングデータをCSV形式で取得できるツールです。無料で利用できるので、コストを抑えたい方に最適です。
利用方法も簡単で、メールアドレス、企業名、運営サイトのURLを入力するだけで、毎日データリンクが配信されます。商品のランキングや売上データを手軽に集めたい方におすすめです。
楽天市場の競合分析ツール③Oxicim
Oxicim(オキシム)は、国内の主要な3つのECモールのデータを一元管理できるツールです。
たとえば、指定したカテゴリーの売上状況や競合商品レポート、間接流通データなど、さまざまな情報を収集できます。
このツールを使えば、市場調査や自社のポジションの把握、競合の売上状況を統合して可視化することが可能です。
さらに無料で利用できるため、初めて分析ツールを導入する方にも非常におすすめです。
総括|楽天市場の競合分析・調査の方法と分析ツールについて
楽天市場で売上を上げるためには、数多くの競合商品からお客様に選ばれる必要があります。
そのためには競合商品との差別化が重要で、差別化のためには競合分析で競合商品の理解を深める必要があります。
分析というと難しく感じるかもしれませんが、まずは類似商品をチェックするところから始めましょう。
「楽天市場の競合調査をする際に確認すべき5つのポイント」のパートで紹介したポイントをExcelに書き出し、ポイント毎に調査していくことから始めるのもよいでしょう。
本記事を参考に競合商品の理解を深め、自社商品の売り出し方を模索・検証しながら売上アップに繋げていただければ幸いです。